契約書の作成・検討業務に携わりながら、「法的リスクへの対応だけでなく、事業推進にもっと貢献できないか」と感じたことはないでしょうか。
このブログは、そうした問いを抱えながら日々の業務に向き合っておられる方に向けて書いています。弁護士などの法曹資格は持っていませんが、売上高1兆円超の大企業で40年以上にわたり、法務部・知的財産部・新規事業創出部門で3000件を超える契約書の作成・検討業務に携わってきた経験を、できるだけ率直にお伝えできればと思っています。
契約書の実務が担う、三つの役割
私は、契約書の作成・検討・修正業務には大きく三つの役割があると感じてきました。
一つ目は、契約相手との法的紛争が生じた際に自社が不利にならない契約書を整えること。二つ目は、風評リスクの低減をはじめとするコンプライアンス――法令や社会規範の遵守――への対応です。そして三つ目が、自社の事業化を契約面から力強く後押しすること、ではないでしょうか。
一つ目・二つ目については、顧問弁護士が厳しく確認してくださる場面も多いかと思います。一方で三つ目は、法令遵守というよりも「事業をいかに前進させるか」という視点が中心になります。そのぶん、現場の担当者としての経験や判断力が特に大切になると、私はこれまでの業務を通じて実感してきました。
生成AIが普及しても、変わらないこと
近年、生成AIが契約書の作成・検討業務にも活用されるようになってきました。条文の整合性チェックや類似条項の参照など、効率化できる領域は着実に広がっています。
ただ、契約書の先にある事業推進の判断――どのリスクを許容し、どの条件を優先するか――は、やはり人間にしかできない部分ではないかと私は感じています。リスク管理のチェックと並行して、事業がスムーズに動き出すための契約書の作り込みにも、これまで多くの時間と思考を注いできました。
このブログでお伝えしたいこと
このブログは、契約書の実務を通じて自社の事業推進を支えたいとお考えの方に向けて、私がこれまで留意してきたことをご紹介する場にしたいと考えています。 法的な判断をお伝えするという立場にはありませんが、事業化を進めるうえで少しでも参考にしていただけそうな視点を、できる限り丁寧に書いていくつもりです。契約書のリスク管理や引継書の作成に悩んでおられる担当者の方にも、同じ現場を経験してきた者として、何かお役に立てれば幸いです。

コメント